思考のレイヤーの話
今日は「思考にある別軸のレイヤー」の話をしたいと思います。
「使いやすいとは何か?」の記事では、使いやすさを 思考コスト という観点から整理しました。
使いやすいソフトとは、直感や視覚的な手がかり、あるいは「こういうもんだろう」という推測と、実際の項目や挙動がきちんと一致しているものです。
そうした一致があると、人は「これはやっぱりこういうもんなんだな」と身近に感じることができて、手に馴染む感覚を得ます。直感的に扱える、というのはつまりそういう状態のことだと思っています。
思考コストには「別軸のレイヤー」がある
ただ、この思考を行っているときにはもう一段、別軸のレイヤーでの思考があります。
ひとつは「操作をすること」自体にかかるコスト。
もうひとつは「その操作で何かを作ろうとしていること」自体にかかるコストです。
この後者——つまり、作りたいものを設計しながら考えるコスト——は、操作のしやすさとは別レイヤーで動いています。そしてここが、実はかなり肝になるポイントです。
例:ハンマーと「作りたいもの」のコスト
前回はハンマーを例にしましたが、今回は「ハンマーで何を作るか」という側に目を向けます。
たとえば、机や椅子を作るとします。椅子なら、
- 足の高さをどうするか
- どんな構造で繋ぐか
- 座面をどう設計するか
といったように、最終的に出来上がるもの(アウトプット)の使いやすさや目的地そのものについて、まず考えるはずです。
そしてその目的に合わせて、
- 木を切る
- 釘を打つ
- はめ込む
といった作業が発生します。
ここで、これらの作業コストが高い(道具が持ちにくい・切りにくい、など)状態だと、作ろうとしているものの設計・判断のコストとのバランスが崩れてしまいます。
目的に向かう前に「そもそも作業が成立しない」という状態になり、結果として人は「使いにくい」と評価することになるわけです。
「操作・挙動・目的地」の相互関係として見る
だから、使いやすさを考えるときには、
- 視覚的な情報(見た目・配置・手がかり)
- 行動(操作)
- 挙動(結果)
- そして「本来やりたかったこと」(目的地側のコスト)
この4つを相互に見ながらインターフェースを設計していくのが、良い結果につながるのではないかと思っています。
近況:ノードベースツールを作っている
その一環として、今ノードベースのツールを1つ作っています。このノード設計に関しては、まさに今書いたような観点——操作のしやすさだけではなく、目的地側の思考コストまで含めて——かなり意識して設計しています。
もちろん他のソフトの良いところも取り入れていますが、そうした設計の内容についても、今後紹介していければと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。